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糸の宝石(アンティークレースのお話)

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  今までお休みしていた分
  ここ数日、怒濤のようにブログを更新してきましたが
  また、少しの間ブログをお休みいたします。
  留守の間、コメントのご返事ができなくなりますけど、ごめんなさい☆


  ここからは、ちょっとマニアックなアンティークレースのお話になります。
  興味のある方はご覧下さいね。

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  ある日、ネットの小さなアンティークショップで偶然目にした、レースの襟。
  "ポワン・ド・ガーズ"と呼ばれるレースだと知りました。
  一針一針、針を刺して人の手で生み出されたこのレース
  緻密で繊細で可憐で、霞のよう。
  こんなに複雑で弱弱しいものが1800年代に作られて、
  それが今の時代まで残されてきたというのも驚きでした。

  (レースに対する"弱弱しい"と言うイメージは
   その後、手にとって吹き飛んでしまいました。
   繊細なこの糸は、シルクじゃなくてリネンだったんです。)
  
  "ポワン・ド・ガーズ(point de gaze)"  ガーゼ(薄布)のポワン(点、縫い目、編み)


  15、6世紀にイタリアで生まれ発達したレースの技法は、フランスに渡り
  18世紀には華麗なアランソンやアルジャンタンレースに発展して、
  ロココ貴族のドレスを飾りました。

  「熟練した職人が、朝5時から夜8時まで毎日働いて作っても
   1年かけて袖口1枚にしかならなかった」
  と言われるレースがどんなに高価で貴重だったか想像できますね。
  アンティークレースの職人さんたちは、目を酷使するため
  30才前後で失明するか、短命だった人が多いそうです。
  

  けれど、そんな貴重なレースも、
  フランス革命で、贅沢は敵とされて、焼き尽くされてしまったそうです。

  その後、レースの舞台は、良質なリネンの産地であるベルギーのブリュッセルに渡り
  1830年代にアランソンレースを模して"ポワン・ド・ガーズ"が作られるようになりました。

  
  "ポワン・ド・ガーズ" の中でも、薔薇の花びらがポケットになったものを
  "ポワン・ド・ローズ" といいます。

  花びらがポケット、不思議でしょう?
 
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  ドレスの襟元や裾やカフスを飾った小さな薔薇のポケットに
  香水を含ませたコットンを詰めて
  ドレス全体が香りたつようにしていたそうです。優雅ですね。
  そのドレスを着たパーティーの場面を想像すると・・・
  ・・・香水の香りで'むせかえり'そうです。
  だって大勢の貴婦人が一同に香りを・・ってことですもんね。

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  レースのネット地=チュールの部分(グランド)
  肉眼で見ても、驚くほど細い糸が使われていますが
  マクロの世界で見ると
  その糸が螺旋状に撚られて丈夫な作りになっているのが分かります。

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  2cm×2cmの中にびっしりと刺された糸
  (拡大していますが、写真の薔薇部分が約2cm×2cmです)
  ポケットの上の丸い飾りは、信じられないほど細かいボタンホールステッチ
  (ブランケットステッチ)が刺されています。
  

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  ポワン・ド・ローズの薔薇の周りをデュセスレース(別名『公爵夫人のレース』)が
  縁取った、ブリュッセルミックスレースのカフス(袖)
  ただでさえ、美しい二種類のレースが一つになると
  いっそう華やいで、凛とした雰囲気になります。

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  ロココの雰囲気を残す、美しいポワン・ド・ガーズのピース。
  元は襟だったようです。

  ・・・とここまで退屈なお話にお付き合い下さいましてありがとうございました。
  何分、アンティークの初心者なので、思い違いしている点や
  まだまだ知らないことが沢山ありますので
  ご存じの方に教えて頂けると嬉しいです。


  参考:『16世紀~18世紀 富と権力の象徴 アンティーク・レース』 吉野真理
      ニードルレース ウィキペディア最終更新 2008年6月17日 (火) 21:08。


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by xx--sakura--xx | 2008-07-09 15:30 | アンティーク・コレクティブル
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